■東京市場とロンドン市場の値動きのクセを利用する


■東京市場とロンドン市場の値動きのクセを利用する

「いちばんカンタンにわかるのがチャートのパターンからの推測です。とくに、東京市場とロンドン市場の値動きのクセの違いは利用しやすいと思います」

24時間地球のどこかで取引されている為替市場。時刻によってメインとなる都市があり、どの都市がメインとなるかによって特徴が異なる。

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「為替市場にはさまざまな参加者がいますが、東京市場は実需が中心。実需というのは、投資目的ではなく、貿易決済のために外貨を使う会社からの注文です」

たとえば自動車メーカーや家電メーカーのような日本で作ったものを海外に売る輸出企業。彼らはアメリカで売り上げたドルを円に交換しようとする。逆に電力会社のように海外からLNGを買って発電する輸入企業もある。輸入企業は円をドルに交換しようとする。

「ドルを売りたい輸出企業は少しでも高く売りたいから、上がったら売ろうとして相場を下げる力になります。外貨を買いたい輸入企業は少しでも安く買いたいから下がったら買おうとして相場を上げる力になります。実需中心の東京市場ではこうした企業の取引によって、値幅が広がりにくいんです」

■イヂワルなロンドンは東京に損切りさせる

午前中と夜とでプライスボードを見比べてみると、チカチカの頻度がまったく違う。午前中はチカチカというよりはチカ…………チカ……チカとゆっくり価格が変わるが、夜になるとチカチカチカッと瞬時にレートが変わっていく。ロンドンやニューヨークの時間はそれだけ取引が活発だということ。

値動きがじんわりで一定の値幅でおさまりやすい東京市場だが、それでもまったく方向性が出ないわけじゃなくて、なだらかな動きをしがち。じわじわと上がったり、ね。

「日本時間の午後3時くらいになると早起きなロンドン勢が動き始めます。彼らが何をするかというと、ロンドンは投機的な取引を好みますから、東京勢の損切りをつけさせようとするんです。東京時間にジワジワ上がっていたら『買っている人が多い』ということですから、東京勢が置いた損切りを発動させようと、売り浴びせてくるんです」

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ロンドン勢が売りを入れると、相場はじんわり下がっていく。東京市場の投資家たちの損切りがつくと、相場は急落する。無事にそれを見届けたらロンドン勢は自分たちの売りポジションを買い戻して、ひと仕事終了というわけだ。