グランビルの法則

グランビルの法則

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移動平均線と実際の価格の乖離性から相場の将来を占うのが「グランビルの法則」。米国のジョセフ・グランビル(Joseph E. Granville)という著名なアナリストが編み出した投資手法で、移動平均線を利用した投資タイミングを紹介している法則として有名です。グランビルの法則は、4つの買い時と4つの売り時から形成されています。

グランビルの法則 8つの売買ポイント

移動平均線を考案したグランビルは、長期移動平均線と株価を組み合わせ、売買のタイミングを計る「グランビルの法則」を考案しました。グランビルの法則には、4つの買いポイントと4つの売りポイントの、計8つの売買ポイントから形成されています。
売買ポイント 説 明
ポイント1「買い」 下落してきた移動平均線が上昇し始め、株価が移動平均線を上抜いたら「買い」
ポイント2「押し目買い」 移動平均線が上昇基調にあって、株価が移動平均線を一時的に下回ったとき「押し目買い」
ポイント3「買い」 株価と移動平均線との乖離が大きくなり株価が下落しても、上昇中の移動平均線とクロスしないまま、再度上昇すれば「買い」
ポイント4「買い」 移動平均線が下落基調にあって、株価が大幅にマイナスへ乖離していれば「買い」
ポイント5「売り」 株価が移動平均線から大幅にプラスへ乖離しているとき「売り」
ポイント6「売り」 株価が上昇基調から下落基調に転じて、移動平均線を下回ってきたら「売り」
ポイント7「戻り売り」 下降中の移動平均線を株価が上回っても、トレンド反転が見込めない場合は「戻り売り」
ポイント8「売り」 株価が下落トレンドにあって、移動平均線を上回れず、再度下落を始めたら「売り」

グランビルの法則 8つの売買ポイント

すべての基本はダウ理論

“杉田式FXの基本”はまず3点!

FXで勝つために複雑なテクニカルはいらない。研ぎ澄まされた三種の神器を使いこなせばいいだけ。その使い方とは?

その一 すべての基本はダウ理論にあり!


「すべての基本はダウ理論」。そう話すのはカリスマFX塾を主宰する杉田勝氏。イギリスでヘッジファンドのマネジャーとして活躍後、今も国家やエネルギー関連企業を顧問先にもつ、プロ中のプロだ。

「欧米では投資の教科書の最初に出てくるイロハのイ。知らずにトレードするのは、アクセルもブレーキも知らずにクルマに乗るようなものです」

ダウ理論は投資家たちの心理を汲み取るもので、極めて論理的。

「例えば、一見ランダムに動いているように見える相場でも、規則性がある。その根拠こそがダウ理論なんです。実にシンプルな論理で、相場の節目となる過去の高値や安値に水平線を引く」

相場は上下動を繰り返す。その頂点や大底に水平線を引くだけ。これがレジスタンスラインやサポートラインと呼ばれるものだ。

「なぜ高値ができると思いますか? 高値を境にして、買いたい人より売りたい人が増えたからです。買い手よりも売り手が多ければ、プライスは下がる。だから高値や安値が相場の節目になる。ところが、高値を超えて上昇する場合は、買い手に加えて『ここは超えないだろう』と思っていた売り手の損切りを巻き込んで、売り手が買い手に切り替わることを意味する。となれば、上昇の勢いは加速。だから高値(レジスタンス)を超えた場合は、喜んで買う。『高値掴み』と落ちこむ必要はありません」

ダウ理論とは値動きの基本を知るための論理。どこが相場の節目となるのか見えるようになれば、「このサポートを割ったら、一気に下げるだろうから、サポートよりちょい下に逆指値を入れておこう」と、自分なりのトレードストーリーが描けるようになるのだ。

その二 未来を予知する魔法の20EMA


杉田氏が「魔法曲線」とまで評価する強力なアイテムがEMA。僕らが普段使っている単純移動平均線(SMA)の親戚で、直近の値動きに加重して弾き出される移動平均線だ。

「海外のトレーダーは重用しているのに、なぜか日本では使う人が少ない。表示できるチャートソフトも限られていて、実にもったいないですよね。EMAの見方は簡単で、『EMAよりもプライスが上にあればロング、下にあったらショート』。これが大原則です」

このとき大事なのがパラメータの設定。EMAは20にすること。

「20EMAの傾きにも着目してください。トレンドの変わり目で、SMAよりも明らかに反応が早い。20EMAの傾きを見ていると、将来相場がどっちに動くのか、教えてくれる。逆に言えば、20EMAが横ばいでふらふらしているときは方向感がないので、傾きがはっきりするまで様子を見たほうがいい」

ここで思い出してほしいのがダウ理論。20EMAはサポートやレジスタンスとしても機能する。

「上昇トレンド中に押し目ができて拾いたい。でも、どこまで下がるかわからない。そんなときも20EMAが目安になる。いったん20EMAから乖離したプライスが落ちてきて20EMAにタッチして、再び上昇していくといった動きはよく見られます」

でも、なぜ20EMAはそうも効力を発揮するのか?

「多くの人が注目しているため、節目となる高値や安値と同じような効果を生んでくれるんです。20EMAが見られないチャートを使っているなら、今すぐチャートを変えたほうがいいですよ」

20EMAは常時表示して、時間足を切り替えてもそのまま点灯させておこう。

その三 利食いはRSIのダイバージェンス


最近の相場はわかりにくい。高値を更新して上に抜けると思ったら、ジリジリと下げだしたり……。どうにかトレンドの転換を明確に確認する方法はないものか。

「RSI(相対力指数)のダイバージェンスで判断します。RSIは『売られすぎ.買われすぎ』を示すオシレーター系のテクニカル分析ですが、そんな使い方は意味がない。それよりもダイバージェンスに着目してください」

高値を更新するとRSIも上にいくのが通常の動き。でも、まれにそうでないことも起きる。

「5時の高値を10時に更新しているのに、RSIは5時の時点より10時のほうが下がっていることがあります。これがダイバージェンス(逆行)。ダイバージェンスが発現すると相場の転換点になることが多い。上昇トレンドならば、今度は下に向かうというシグナル。ロングのポジションを持っていてダイバージェンスが発現したら、利食いを考える」

となるとノーポジのときダイバージェンスが出たら、新規でエントリーするのだろうか?
「エントリーには使いません。ダイバージェンスが連続して出ることもあり、すぐさまトレンド転換というわけではない」

ダイバージェンスを見るときはもうひとつ注意点が。

「RSIの水準です。天井を示すダイバージェンスはRSIが70以上のとき、大底を示すダイバージェンスは30以下のときのみ。30から70の間でダイバージェンスが出ても、あまり信憑性はない」

ダウ理論や20EMAをもとにトレードストーリーを描きながら利食いはダイバージェンスで、こんな使い方が理想的なのだ。値ごろ感から売買するのは大間違い。「安いから買って高いから売るトレード」から卒業しよう。

パーフェクト序列


FXは根本的に、「投資」ではなく「投機」である。まず、FXが開発された背景から説明しよう。
株式相場と違って、為替相場は1日あたりのボラティリティ(変動率)が非常に低い。株式市場で設けられているストップ高などの値幅制限が為替相場にはないことからも、自明である。ドル/円やユーロ/円などのメジャー通貨ペアを24時間取引しても、値動き幅はせいぜい1.5~2%程度だろう。そこで、値動きの少ない為替相場でも大きく儲けられるように「レバレッジ」を適用するFXという金融商品が1980年代にロンドンで開発されたのだ。
為替取引において、原資産が生み出す付加価値は、ないに等しい。このため、為替取引は「投機」といって過言ではない。だからこそ、FXではファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)分析は通用しない。為替とは、2国間の通貨の交換関係にすぎない。したがって、将来的な国の成長余地を考えてもほとんど意味がない。たとえば、米国の成長が期待できるから米ドルを買って運用するという発想は、FX取引においては間違っているといえる。為替相場において、将来確実なことは何もない。つまり、FXはテクニカル分析なしでは語れないのである。
そのテクニカル分析にも、取引の根拠となるものと、予測のシナリオを立てるためのものの2種類がある。この2つを混同してはならない。相場のサイクル論などはあくまでシナリオを立てるための分析であり、取引の根拠にはならない。個人投資家は取引用のテクニカル分析を、より勉強すべきなのである。
実際の取引では、確実な売買ポイントがチャートから見えてこない限りは、自分が描いたシナリオがいくら素晴らしくても取引しないのが基本である。実際、私自身が取引する際も、自分が以前に書いたシナリオを無視することもある。取引の根拠と勘違いして、シナリオに基づいて取引するとケガの素だ。

世にテクニカル分析は数あれど、すべてのテクニカル分析がすべての相場に通用するわけではない。

たとえば、株式のテクニカル分析に、移動平均線を用いる「グランビルの法則」というものがある(左図)。売買タイミングを判断する8つの法則があるが、この中でもFX取引では通用しない法則が2つある。

それは、下降トレンドにおいてレートが中長期移動平均線と大きく乖離していた場合に買いに入る法則(法則7)と、上昇トレンドにおいてレートと中長期移動平均線の乖離が大きい場合に売りを仕掛ける法則(法則8)だ。どちらも、一方向に動きすぎたレートの短期的なリバウンドを狙う手法である。

しかし、為替相場は一方向の強いトレンドが発生しやすい特徴があり、いったん移動平均線から乖離すると、さらにかけ離れていく傾向が強い。どのくらいの乖離で仕掛ければよいのかは曖昧で、勘や経験則に頼りすぎると手痛い損失を被りかねないので要注意である。


それでは、取引の根拠とは何か。それは、チャートのシグナルに基づく「トレンドフォロー」である。
為替取引で成功するための大原則は「トレンドがある時に、高値になったら買う、安値になったら売る」だ。なぜならば、為替レートは通貨ペアの交換バランスによって動くからだ。一方の通貨の買い手は同時にもう一方の通貨の売り手なのである。ドル/円のペアならば、「ドル買い=円売り」となり、決済した瞬間に自然と反対に動く構造になっている。
ドル/円の上昇トレンドを例に説明すると、ドルが上昇すればするほど円の買い手(ドルの売り手)の損失は膨らむ一方になり、多くの投資家が損失を食い止めるために投げ売りという行動に出るだろう。実際には、円の買い手が設定していたストップロス・オーダー(損切り指値)が執行され、自動的にドル買い、円売りが行なわれる。最初の損切り注文の発生がトレンドをさらに進め、次の損切りを引き起こすというロスカットの連鎖を招くのである。
要するに、為替相場での激しい上昇、あるいは急落の局面での著しい一方通行の値動きは、トレンドの継続を見込んだ新規参入の買い手や売り手による取引がもたらす結果というよりも、トレンドの逆ポジションを持っている投資家の損切りが大きな原因になるケースが多い。このような構造から、為替の値動きは一方向に大きく動きやすいのだ。
以上の為替相場の構造の原則を理解しておかなければ、どんなにテクニカル分析を勉強しても意味がない。初心者がFX取引でなぜ失敗しやすいのかというと、値頃感で判断し、高くなったら売りたがり、安くなったら買いたがるからである。この手法は、株式取引では多少通用するかもしれないが、為替ではまったく通じない。為替相場において「逆張り」が通用するのは、もち合い相場の時だけだ。ただし、逆張りが成功しても、もち合い相場では大きな利益を出しにくい。
極端にいってしまえば、FXでは「順張り」用に、トレンドの有無を見極めるテクニカル分析をマスターすればよいのである。通貨の「買われすぎ、売られすぎ」を検証するオシレーター系の指標を最初から覚える必要はない。また、トレンドを見極める基礎的なテクニカルの知識もなく、難解な予測シナリオ用のテクニカル分析を勉強してしまうと、シナリオが正しいと思い込む弊害が生じて、損失拡大を招く恐れがある。勉強家の個人投資家ほど陥りやすい盲点なので、気をつけてほしい。


相場にトレンドがあるかないかを簡単に見極められるのが、移動平均線(MA)である。今回紹介するのは「パーフェクト序列」戦略。移動平均線の配置と序列に基づくストラテジーで、トレンドの発生、進行をうまく捉えることができる。
まず、時間設定を変えた、短期から長期にわたる複数の移動平均線をチャート上に表示する。これらがすべて同じ上昇方向で、「20MA>55MA>100MA>200MA」のように序列どおりに並んでいる時は、上昇トレンドにあると判断できる(実践図解1参照)。逆に、短期から長期にわたる複数の移動平均線がすべて同じ下落方向で、「20MA<55MA<100MA<200MA」といった序列が成立している時は、下降トレンドにあると見てよい(実践図解2参照)。

時間設定を変えた複数の移動平均線(MA)の並びでトレンドの有無は判断できる。短期から長期までの移動平均線がすべて上向きで、短期線が長期線をすべて上回っているようなら、上昇トレンド。逆にすべての移動平均線が下向きで、短期線が長期線をすべて下回っていれば、下降トレンドとわかる。この手法は、日足、時間足、分足など、どんなチャートでも通用する。

【買いエントリー条件】

1.20MAより高値に位置したところで、直近高値の更新時。

2.各移動平均線が「20MA>55MA>100MA>200MA」 の序列に並ぶ。

3.すべてのMA線が上向き、お互い乖離を拡大していく状況なら、なおよい。

【決済条件】

●20MAが55MAを上から下にクロスした時。

ただし、時には同シグナルを待っていると、すでに急落して いる可能性もあるため、「55MA線より30pipsを下げたら決済」など、フィルターをかけておくのもよい。

【売りエントリー条件】

1.5MAより安値に位置したところで、直近安値の更新時。

2.各移動平均線が「5MA<20MA<55MA<100MA<200MA」の序列に並ぶ。

3.すべてのMA線が下向き、お互いに乖離を拡大していく状況なら、なおよい。

【決済条件】

●5MAが55MAを下から上にクロスした時。

ただし、このチャートのケースでは、まだ決済されておらず、最大5835pipsの利益を有している。


こうしたトレンドが発生していたら、あとは高値(安値)を更新した時にエントリーをすればよいだけである。エントリーの条件は実践図解の中で説明しているが、これらの条件すべてが合致しない時は取引をせず、ただ相場の動きを見るだけにすることが重要なポイントだ。初心者ほど見ているだけでは我慢できずに、クリックして取引に参加したくなる衝動に駆られやすいが、実はプロほどエントリーの条件がすべて揃うまでじっと待っているのである。
これらを守れば、私の経験上、10回の取引のうち少なくとも6~7回は成功する。もしも反対方向に進んだ時は、損切りをすればよいだけだ。
もうひとつ、トレンドの有無を判断するためには、基礎中の基礎であるトレンドラインの引き方も覚えてほしい。私が抵抗線や支持線などのトレンドラインを引く時は、必ず右(直近)から左(過去)に引いている。理由は、過去の値動きよりも直近の値動きがより重要だからだ。ささやかなテクニックだが、よいタイミングを教えてくれることも多い。日本ではあまり知られていないようだが、海外では常識的なやり方である。


最後に必要となるのが出口戦略である。大きくわけて、リスクコントロールによるものと、テクニカル分析によるものの、2つの出口戦略があるが、大切なのは前者だ。1回の取引ごとに元本に対する利益と損失額(損失率)を必ず計算しておく必要がある。
たとえば、1回の取引で20%の損失を出すと、元に戻すのに、残った資金から25%の利益を出すことが必要になる。もし、1回の取引で元本の30%もの損失を出せば、次の取引で42.9%のパフォーマンスを達成しなければ元本の回復はできない。損失を取り戻すのはそれほど難しいのだ。個人投資家の中には1回の取引で30%の損失を平気で抱え込む人が少なくないが、それは尋常ではないことを認識してほしい。
為替取引でも株式取引でも、プロのトレーダーやディーラーは1回の取引における利益と損失額を元本の2%以下に抑えている。個人投資家の場合、たとえ投資金額自体が少なくても、それに近い水準の3~4%以下にとどめておくべきだ。そうすれば損失を出しても、心理的なダメージは小さく、次で取り戻せるという精神力と判断力を維持できるだろう。
テクニカル分析による出口戦略については、明確なトレードのルールを守って対応すればよい。トレンド転換のシグナルが出てこない限り、トレンドフォローに徹して利益をできるだけ伸ばしていくのが原則である。ただ、利益を大きく伸ばすのはプロでも困難。まずはリスクコントロールから実践し、ぜひともマスターしてほしい。
私はこれらの自分のやり方で、実際に儲けを出してきた。儲かる方法ほどシンプルでわかりやすく、誰にでも勉強できるのが為替取引のよいところである。まとめると、1,トレンドがある時にのみエントリーし、2,高くなれば買い、3,安くなれば売る。この3つだけでもきちんと実践できれば、FXでの勝利は難しくない。

「マネーポスト」2009年5月号に掲

ロングエントリーポイント。

オレンジの□がロングエントリーポイント。

特殊なのも含めて4つ示しました。

1つ目は、ダブルボトムになることを見越してのエントリー

これはサポートラインの強弱を判断し

トレンドライン抜けを狙ったものなので

リスクは高いけど、うまく行けば2で増し玉が出来たり

楽に保有できるポイント。

なので、最終的にはリスクを取ってもいいかどうかで

エントリーするかしないかを判断します。

2つ目は、いつも通りの転換パターン。

ショート鉄板の逆ですね。

3つ目は、レンジブレイクと言われるものですが

トレンド中の小さなレンジ後にも使えます。

いわゆる順張りパターン。

4つ目は、ちょっと特殊ですが

レンジ相場でのオーバーシュートや、底値圏で

使うパターンです。

他にもまだまだありますが、こういう形が頭にあって

今のチャートなら、この後どの形になりそうか?を

判断してます^^

1ドル100円突破はなぜ起こったのか?「アベノミクス効果」と思い込みたいメディアの欺瞞

1ドル100円突破はなぜ起こったのか?「アベノミクス効果」と思い込みたいメディアの欺瞞

山田 順 | 作家、ジャーナリスト、出版プロデューサー2013年5月12日 1時59分

■「アベノミクス効果で円安」というより「米景気回復でドル高」

5月9日、ニューヨークの為替市場で、ドル・円相場が約4年ぶりに1ドル=100円の壁を突破した。そして10日には、東京市場で、ついに1ドル=101円台まで下落。100円の抵抗ラインをあっさり突破したことで、政府もマスコミも大歓迎。まるで、これで景気が回復するかのような騒ぎになった。

実際、5月11日付けの「読売新聞」の社説は次のように書いている。

《円安をテコに、自動車など日本の輸出企業は国際競争力が向上し、収益が拡大している。

外需主導で生産や設備投資が活発化すれば、雇用は改善し、消費など内需にも恩恵が波及しよう。こうした好循環による、本格的な景気回復に期待したい。》

こんなに浮かれていいのだろうか?

しかも、今回の円安100円突破を、どのマスコミも「アベノミクス効果」としている。しかし、本当にそうなのだろうか? アベノミクスのせいで、ここまで円安になったのだろうか?日本のマスコミはムードに流されやすくはないだろうか? それに、なぜ「円安になれば日本経済は復活する」と思い込んでいるのだろうか?

結論から書いてしまえば、今回の円安100円突破は、「アベノミクス効果で円安」というより「米景気回復でドル高」である。日本から見ると「円安」だが、そんな見方をしているのは日本だけだ。アメリカ、そして世界の市場関係者にとっては、常に基軸通貨のドルが基本だ。円は、数ある通貨のなかの一つに過ぎない。

その円がドルに対して安くなろうと、大した問題ではない。

■5月3日に発表された失業率の改善が引き金に

では現在、ドルはどんな流れのなかにあるのだろうか? ずばり、どの通貨に対してもドル高になるトレンドに入ったと言える。それは、米国の景気回復への期待が高まっていることと、FRBが金融緩和の出口を考え始めたこと。この2つの点が大きなポイントだ。

今年の初めは、米国経済はまだまだ低迷するという見方が強かった。発表される経済指標も予想を下回るものが多かった。しかし、5月3日に発表された4月のアメリカの失業率は7.5%。前の月より0.1ポイント改善。非農業部門の就労者数も16万5000人増加し、市場予想を上回ったので、そこからダウは一気に上昇し、1万5000ドルを超えてしまった。

つまり、今回の円安と東京市場の株価1万4000円台回復も、この米国雇用統計が直接の引き金なのだ。

■FRBの金融緩和策の縮小を示唆した連銀総裁

そこに追い打ちをかけたのが、5月9日に発表された米国の失業保険申請件数だった。失業件数の予想を上回る改善が示されると、NYダウはさらに上がった。ドルを買う動きも強まり、アメリカのエコノミストたちも景気回復を言う人間が多くなった。

もう一つ。市場関係者がドルに強気になったのは、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が、FRBの金融緩和策の縮小(米国債とMBS購入プログラムの縮小)を示唆したからだ。

この発言は、結果的に、株式・為替市場を大きく動かした。

かねてから、「FRBはいつ金融緩和(QE)を止めるのか」が、市場関係者の注目の的になっていた。いわゆる出口戦略がいつ実施されるかだが、その期待をプロッサー総裁が口にしたのである。こうなると、米国の金利水準は上昇する可能性が高まる。

米国の金利が上昇すれば、海外の投資資金が米国の金融市場へ再び流入してくる。つまり、ドル高になるのは自然の流れである。当然、ヘッジファンドも動く。

■円安に浮かれていると大変なことになりかねない

1ドル101円になった後、日本のメディアは「105円、110円を目指す動きになる」「少なくとも120~130円まで行くだろう」と、エコノミストたちの予想を載せるようになった。

しかし、ここで忘れてはならないのは、繰り返すが「円安」ではなく「ドル高」ということだ。ドルが強くなっているだけなのだ。

今後、景気回復を受けてFRBが本当に出口戦略に出れば、米国の金利は、市場関係者の期待通り上がる。現在1.7%の米国債の10年物金利は上昇する。

となると、日米の金利差が拡大するわけだから、円より高利回りが見込めるドルに円資金は流れる。つまり、円からドルへのキャピタルフライトである。

このキャピタルフライトが大規模に起これば、どうなるだろうか?

もちろん、円安はさらに加速する。と同時に、日本国債は暴落し、日本の金利が高騰する可能性がある。そしてさらに、こうした流れが続けば、輸入価格の高騰によるインフレが起こり、それがさらに円安を進める。

アベノミクスによる黒田バズーカ砲は、収拾のつかない方向に向かうかもしれないのだ。

■1ドル100円突破で、債券市場は明らかに動揺

5月10日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債(328回債、表面利率0.6%)の利回りが一時0.70%となった。終値利回りは前日より0.105%高い0.695%まで上昇した。

これは、売りが膨らんで利回りが上がったことを意味する。その影響で、東証では相場の急激な変動を和らげるため、取引の一時停止措置を発動する場面もあった。1ドル100円突破で、明らかに、債券市場は動揺したわけだ。

マスコミはあまり報道しないが、こちらのほうが日本経済にとってはるかに大きなインパクトを持っている。実際問題として、日本の国債市場はすでに壊れているからだ。なにしろ、日銀が国債を7割も引き受けてしまうのだから、この先、輸入インフレで物価が予想以上に上がってきたら、どうなるかまったく予測できなくなってしまった。

■あのジョージ・ソロス氏も国債暴落を警告

ここで、黒田バズーカ砲(異次元金融緩和)の発表後、4月10日、中国・海南島で開催されたボーアオ経済会議で、ジョージ・ソロス氏が語ったことに、改めて注目する必要がある。ソロス氏は、「異次元金融緩和」を「リスクの高い実践だ」と批判し、次のように述べたからだ。

「日本政府は量的緩和の賭けにでたが、流動性の高い通貨供給でインフレが誘発されるだろう。金利は押し上げられ、国債の発行コストがかかり、持続不可能なレベルに陥没の恐れがある」とし、投資家が円のポジションを維持すると「通貨安により価値が下がるため円からのキャピタルフライトが起こるだろう」とし、日本国債の暴落の可能性も指摘したのだ。

ソロス氏は、安倍政権発足直後に円安を予測してドル投機を行い、2カ月ほどで約10億ドルを儲けている。かつてポンド売りでイングランド銀行を窮地に陥れた実績もある。通貨に関しては、彼の予測を上回るものはない。

いまや日本のマスコミはほとんどが、アベノミクス応援メディアと化してしまった。「円安で製造業の国内回帰が進む」などという、夢想としか思えないことも書くようになった。

しかし、私が聞いている限り、そんなことを考えている企業はない。いまさら、日本に工場を戻す製造業などありえない。

日本経済の復活は、あくまで実体経済、企業の生産性の向上、画期的なイノベーション、売れる商品の開発などにかかっている。

為替だけで、日本経済が復活するなどということがありえるわけがないと思うが、どうだろうか。

   

DAY 75日 20日 TR RSI MACD 売買
EURUSD
72
USDJPY
\上抜け ↑上抜け
EURJPY
74
EURJPY
75日
20日
TR
RSI
MACD
売買
1D
72
4H
62
1H
\上抜け ↑上抜け


EURJPY TR 押しY 戻りT レジサポ MACD 売買
1D
4H
1H

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